■開校100年 きたれ、バウハウスー造形教育の基礎ー

■東京ステーションギャラリー,2020.7.17-9.6
■学校教育を切り口にしたバウハウス展は珍しい。 カリュキュラム図にはBAU=建築が中心に描かれています。 「・・造形活動の最終目標は建築である!」と。
会場では建築に行く迄の造形作品が並べられている。 例えば家具や食器など建築内部で使うモノたちです。 そして終章近くで建築作品が登場する。 会場構成が「建築の下に統合する・・」体系に沿っています。 でも説明がなければ建築が他分野と並列関係にあると見えてしまう。
7人の教師と専門科目の紹介で教育内容がある程度わかります。 7人とはイッテン、ホモイ=ナジ、アルバース、クレー、カンディンスキー、シュレンマー、シュミット。 科目は家具、彫刻、織物、壁画、印刷・広告、版画、陶器、金属、舞台、建築の10科目(工房)。 徒弟やマイスター制度の影響が強く感じられる。 これ以上に「実験精神に満ち溢れ」た生徒の身体を活かす実践教育が重要だったことが分かります。
途中「三つ組のバレエ」(オスカー・シュレンマー作、1922年初演)を上映していました。 色と形の饗宴ですね。 ダンサーのシンプルでリズミカルな動きも飽きがこない。 「道化、祝祭、神秘」三部構成の30分を楽しく観てしまいました。
そしてバウハウスの建築群はいつ見てもスカっとした直線が気持ちいい。 今でも衰えていないこの感覚は自然とは違った人間味を持つ幾何学的崇高さを感じますね。 そして6人の「バウハウスの日本人学生」の記録で会場は終わる。 美術学校の学園祭へ行ってきたような後味も残りました。