■ギュスターヴ・モロー展、サロメと宿命の女たち

■パナソニック汐留美術館,2019.4.6-6.23
■モローの母や恋人はマジメ人生を送っていたので、彼はファム・ファタルの世界を自由に飛び回れたのかもね。 映像紹介で彼が描く<宿命の女>を「男を破滅させる女」セイレーン、「欲望を追い求める女」メッサリーナやエウロペ、「無垢な女」一角獣の三つに分けている。 でも作品をじっくり見ていると母や恋人まで取り込んでいるようにもみえる。 現実も夢にして、さすが「夢を集める職人モロー」だわ。
気に入った作品は「メッサリーナ」(113番)、「メデイアとイアソン」(116番)、「一角獣」(1885年)、「妖精とグリフォン」(159番)の4点。 どれも怪しい美しさがある。 「出現」(1876年)の線描は晩年にモローが加えたのを初めて知ったの。 この線描で作品が構造的に安定し有名になったのだと思う。
館内「ルオー・ギャラリー」にはエコール・デ・ボザールの写真が飾ってあった。 もちろんルオーは恩師モローと一緒にね。 しかもルオーがモロー美術館の初代館長とは知らなかった! モロー美術館は一度行ったことがある。 確かサン・ラザール駅から歩いて直ぐのはずよ。 独特な雰囲気を持つ美術館だった。 この展示でも写真が一杯飾ってあるから館内の隅々までを思い出してしまった。 パリの街並みまで回想できて楽しかったわよ。
*館サイト、https://panasonic.co.jp/ls/museum/exhibition/19/190406/