■PEEKABOO,五木田智央  ■日常生活、相笠昌義  ■平子雄一

■東京オペラシティアートギャラリー,2018.4.14-6.24
■PEEKABOO,五木田智央
■彼の作品から目を離すと、古い写真を見ていたような気がする。 それは白黒写真に古臭い人物像が写っていたような記憶だ。 古さは車のデザインや髪型、背広・スカート・ズボンなどの形や寸法からだと思う。 プロレスラーも職業上なぜか古さを持っている。 そのような写真を見ながら描いたようにもみえる。
人物の顔は普通の顔のように描かれている、一部の人の顔は描かれているが他は塗りこめられている、全員の顔が塗りこめられているの3種類がある。 塗り込められていると目鼻口が判別できない。 一部が塗り込められている作品に味がある。 不思議な比較を読み取れるからだろう。 異様であるが面白さもある。 忘れられない何かを持っている。
*館サイト、https://www.operacity.jp/ag/exh208/
■日常生活,相笠昌義
■80点近い相笠昌義をまとめて観るのは初めてである。 やはりクリーム色が基調の人々が広場や公園に佇んでいる1970年代が花盛りだろう。 当時の実存主義の影や表面化してきた孤独感の中に生活の喜びもやんわりと感じられる。
エッチングにも良い作品があることを初めて知った。 「ダンス」(1974年)、「少女三人」(1976年)など十枚前後はある。 その源は1960年代のコラージュに遡ることができる。 しかし1990年代、2000年代と切れ味が鈍くなっていく。 人を多く描き過ぎて空間が死んでしまった。 人の顔も漫画である。 出口近くに「縞布の静物」(1952年)が飾られていたが画家を志す原点が感じられた。
*館サイト、https://www.operacity.jp/ag/exh209.php
■平子雄一
■植物や食べ物の描き方が賑やかだ。 ある時代の特徴を感じさせる。 ある時代とは上手く言えないがこのような描き方をした同年代画家が多いのは確かである。 そのままキャンバスから飛び出て来たようなミクストメディア作品も見ていて楽しい。
*館サイト、https://www.operacity.jp/ag/exh210.php