■ロダン、カミーユとの永遠のアトリエ

■監督:ジャック・ドアイヨン,出演:ヴァンサン・ランドン,イジア・イジュラン
■(フランス,2017年作成)
■「地獄の門」の制作からこの映画は始まる。 ロダン40歳の頃です。 「像を本物にしたい」彼の真剣度が伝わってきます。 それにしても女性のヌードが美しすぎる。 ここから「裸のバルザック」のような衝撃像がナゼ創り出されるのか差があり過ぎます。 謎は解けない。 木々の接し方や雲の感想から触覚性を重視しているのもわかる。 これに合わせて映画は接吻場面が多い。 でもカミーユとのキスに触覚の喜びが感じられない。 逆にケネス・アンガーのような舐めるような触覚も伝わってこない。 ここから像との差の理由が分かった気がしました。 つまりロダンの触覚の昇華が上手く描かれていないからです。 伝記劇映画の限界ですね。 先日観た「セザンヌ」よりマシですが。 それは彫刻の優位性やミケランジェロとの違い等々を考えながら観ることができたからです。 俳優ヴァンサンの内に籠る控えめな発声が良かったからでしょう。
*天才彫刻家ロダン没後100年記念作品
*映画comサイト、http://eiga.com/movie/86163/