■人間・高山辰雄展ー森羅万象への道-  ■それぞれのふたり、小堀四郎と村井正誠  ■追悼-船越直木

■世田谷美術館,2018.4.14-6.17他
■人間・高山辰雄展-森羅万象への道-
■「小学校先輩福田平八郎の影響もある・・」。 小学生時代から行くべき方向を感じていたのはさすがです。 ゴーギャンの影響も興味がでます。 なるほど「室内」(1952年)を含め数点にそれがみえる。 でも程無く作品からは消えていく。 たぶん画家より人間ゴーギャンへの関心が強かったのでしょう。
1章「若き研鑽の日々(1930年ー45年)」、2章「ゴーギャンとの出会い(45年ー60年)」は試行錯誤の中にも自由の喜び楽しさが感じられます。 でも3章「人間精神の探求(1970年から90年前)」に入ると何か物足りなくなってくる。 探求を始めたら自由が遠くなってしまった? 人物画は余白が多いのですがそれが<空洞>を呼び寄せる。 世界と繋がっていかない孤独を感じるからでしょう。 そのため人物画は一人より二人、人数が多いほど安心感が持てます。 写真でチラッと展示されていた高野山金剛峰寺の屏風図は本物をみたかった。 対して静物画は最初から落ち着いています。 初期の「胡錦鳥のいる静物」(1963年)を含め「牡丹(阿蘭陀壺に)」(1989年)、「椿」(赤と白1992年)などが気に入りました。
*館サイト、https://www.setagayaartmuseum.or.jp/exhibition/special/detail.php?id=sp00188
■それぞれのふたり,小堀四郎と村井正誠
■二人は世田谷にアトリエを構えていたらしい。 でも交流は無かった。 具象と抽象の違いの面白さがあります。 小堀四郎の初期はコローや印象派の影響があり、頬杖を突く存在ある人物像も多い。 次第に宗教を感じさせる山々や空や星を描いていくようになる。
小堀四郎は名前を知っていたが作品は記憶にない。 しかし村井正誠は名前は知らないが絵に見覚えがあります。 村井正誠は赤・青・黄などの崩れた方形に黒い線が印象的です。
*館サイト,https://www.setagayaartmuseum.or.jp/exhibition/collection/detail.php?id=col00100
■追悼-船越直木
■船越という苗字には彫刻家が多いようです。 昨年亡くなった船越直木の作品4点を追悼展示。