■沖ノ島

■撮影:藤原新也
■日本橋高島屋・8階ホール,2017.7.19-8.1
■藤原新也の沖ノ島写真展である。 最終日のためか混んでいる。 会場が狭いことにもよる。
沖ノ島の木々は緑より青に近く地面も落ち着いた黄土で覆われている。 日本の常用広葉樹林の延長にみえる。 海岸から急な斜面を登り森に入っていく。 森の中央が盆地になっているようだ。 入口にある三の鳥居を過ぎると空気が一変する。 そこは波が消え風が止み静寂が漂う場所になる。 しかし島全体が管理されている気配を感じる。 風景に無駄がないからである。 地面に落ちている土器の破片一つとってもその管理下にあるようだ。 明治神宮や皇居をよく歩くがこれと同じだ。 藤原は沖ノ島の空気感を撮りたいと言っていっていたが作品はこの管理感から逃げることができない。
「宗像大社国宝展」(出光美術館,2014年)