■TOKYO、見えない都市を見せる  ■オノ・ヨーコ、私の窓から  ■MOTコレクション

■TOKYO,見えない都市を見せる
■東京都現代美術館,2015.11.17-2016.2.14
■80年代からの東京をキューレーションした前半と、未来へ向けて東京を浮かび上がらせる後半に分かれています。 選ばれたキュレータの個性が強いのかもしれません。 前半と後半の境界が見えなかった。 世紀末か新時代か? 「YMO+宮沢章夫」が境界を消してしまったこと、後半は岡田利規の細部への迫り過ぎや「目(ワームホールとしての東京)」が過去に戻り過ぎていたからです。 東京のディティールは見えましたが全体像が見えない展示でした。
*館サイト、http://www.mot-art-museum.jp/exhibition/TAM6-tokyo.html
■オノ・ヨーコ,私の窓から
■クセのある作品が並びます。 フルクサスで活動しJ・レノンと結婚した強さでしょう。 さすがと言うしかありません。 彼女の比較的新しい作品を見ることができたが60年代と少しも変わらないですね。 あの時代の精神を持ち続けていると言うことです。 でも「私の窓から」(2002年作)でレノンの姿が暗くなっていくのは20世紀の姿に重なります。
*館サイト、http://www.mot-art-museum.jp/exhibition/yoko-ono-from-my-window.html
■MOTコレクション
■第一部「戦後美術クローズアップ」では中西夏之、池田龍雄、桂ゆき、中村宏、菊畑茂久馬、工藤哲己が並んでいます。 菊畑茂久馬は初めて聞きましたが「奴隷系図」は見た記憶があります。 この作品には迫ってくる何かが有るからだと思います。
第二部は「フランシス・アリスと4つの部屋」(*1)です。 「理解を越えて生まれるエモーションを再現する」と言っているC・ボルタンスキの作品にはヨーロッパ大戦の記憶が滲み出ています。 そしてF・アリスのジブラルタル海峡を渡る「川に着く前に橋を渡るな」は素晴らしい映像ですね。 海水浴での喉の塩辛さ、押し寄せてくる波しぶきと水中の圧迫感、青空と太陽の眩しさが甦ります。 
*1.「フランシス・アリス展
*館サイト、http://www.mot-art-museum.jp/exhibition/mot-collection-2015.html