■毛利家の至宝

■サントリー美術館,2012.4.14-5.27
■毛利には無関心だったので、元就や秀吉、家康の対策書・起請文・注進状などの事務文書が最初に展示されていて嬉しい。 しかも現代語訳も付いている。 これで毛利たちの性格や人間関係が見えてくる。
史記や古今和歌集などもあり元就は経営能力ばかりか歌や画・茶・能などを嗜んでいて武士の鏡のようだ。 毛利博物館の存在も初めて知った。 戦国大名の総合力が表れている展示構成である。 しかしちょっと持ち上げ過ぎではないのか?
目玉は「山水長巻」である。 出足の春はいいが、しかし冬に近づくと建物の壁ばかりが目立ち単調になる。 雪舟も途中で飽きてしまったようだ。 宗達や探幽、応挙、芳崖も一点だけなので記憶に残る。 このように広く浅い展示もたまにはよい。
この赤坂の外れに長州藩毛利家屋敷があったそうだが当時は二千名も常駐していたとは驚きである。 帰りに檜町公園を歩いたが防衛庁のため近づかなかったせいかこの一帯は都心部でも記憶の少ない場所の一つである。
*館サイト、http://www.suntory.co.jp/sma/exhibit/2012_02/