■ハダカから被服へ

■原美術館,2012.3.31-7.1
■桜吹雪の中を御殿山に登る。 最初の部屋には鏑木清方風の「千人針」、ダゴティの「女性背筋図」などがロラン・バルト並の解説とともに飾ってある。 展示会名も文学的である。 これは期待できそうだ! ・・しかしその後が続かなかった。
原始人や歴史人物の解説が月並で作品を錆びつかせている。 現代ファッションも同じである。 この文学的テーマをまったく消化できていない。 今回は具体的言語的すぎた感がある。 バルト好きの杉本博司でも息切れのようだ。
またこの館は私邸だったため展示が難しい。 廊下も狭いし部屋も狭い。 朝香宮邸に漂っている部屋のリズムも無い。 解決するためにレストランを無くすのも一案だが。 作品数の制約から毛色の違うアルミニウムや能装束を省くと分かりやすくなったろう。
*館サイト、https://www.haramuseum.or.jp/jp/hara/exhibition/332/