■ボストン美術館・日本美術の至宝

■東京国立博物館・平成館,2012.3.20-6.10
■浮世絵が出品されていないのは「浮世絵名作展」を去年開催したからでしょうか? 2年前の森アーツセンター「西洋絵画の巨匠」展は素晴らしかった記憶があります。 質と量の伴う展示が多いボストンに、圧倒され通しです。
絵画以外特に着物を多く出品できるのも底力が有る証拠です。 そして今回、「蕭白といえばボストン」の言葉を初めて理解できました。  「雲龍図」の口の周りの髭だとか爪の回りの毛の描き方は漫画のルーツに出会ったようです。
「吉備大臣入唐絵巻」は空間と時間の空白が生かされていて面白いですね。 これも漫画です。 ぎっしり詰まった「平治物語絵巻」よりホンワカした気持ち良さがあります。
気に入ったのは土佐光起の「王昭君図」。 親しみさが有り顔も最高です。 そして快慶の「弥勒菩薩立像」。 どこか人間の思いを持っている顔です。 光琳の「松島図屏風」は期待していたのですがイマイチでした。 光琳には大事な何かが不足しています。
若冲を含め漫画的要素の濃い作品が多いですね。 フェノロサやビゲローは漫画を楽しむノリで作品を収集したのかもしれません。 二人が戦後の日本漫画をみれば平安時代からの日本文化の痕跡がちりばめられていると言うでしょう。 
*東京国立博物館140周年展
*館サイト、https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1416