■生きた全体 A Living Whole

■作家:大西麻貴,百田有希
■ギャラリー・間,2024.9.4-11.24
■T.S.エリオットの詩の概念「生きた全体」を引用している。 そこから「建築をつくることは、物語を紡ぐことと似ている」と作家は言う。 会場に入ると、童話の世界からやってきたような建築模型が多くみられます。 物語を塗り込んでいく。 「<ある>というより<いる>」「重力から生まれる自然な姿」「質感をともなう形」・・、具体に近づいていきます。
また何を一つとするか?も問うている。 そこから「道としての建築」「外皮を纏う建築」など建築を世界へ、世界を建築に浸透させていく。 ヒトの細胞や組織と同じように呼吸する建築を目指している。
外庭には模型「熊本地震災害ミュージアム」と小枝屋根のあるベンチが置いてある。 4階へ上がると、一部が深紅色のカーテンで覆われた展示になっている。 そして覗くように作品を観る。 まさに童話の世界を覗いているようです。
写真でしか見ていないので実建築の内側を覗いてみたくなりました。 先日観た「平田晃久、人間の波打ちぎわ」展の「からまりしろ」や当展の「生きた全体」などの概念はどれも人間の精神面まで取り込もうとしている。 より荒々しくなりそうな自然に持ちこたえることができるのか? 技術が進んでいるので問題ないはずだが不安も感じられます。