■サイドコア展、コンクリート・プラネット

■作家:SIDECORE(高須咲恵,松下徹,西広太志)
■ワタリウム美術館,2024.8.12-12.8
■副題「コンクリート・プラネット」から内容が想像できます。 都市がテーマらしい。 「SIDECORE」は初めて聞くアートチームです。
先ずは2階にいくと、車のヘッドライト、工事中パネルなどが目に入る。 都市らしき絵画や花瓶のような彫刻も置いてある。 「コンピュータとブルドーザの為の時間」(2024年)は鉄管のなかを鉄玉が転がり落ちていく作品です。 転がる鉄音は都市の叫びと言ってよい。 音が響くと2階は夜の都市空間に変貌する。
3階はビデオ作品が多い。 「untitled」(2021年)は羽田空港トンネル内を一人の青年が歩道を歩いていく映像です。 コンクリートの感触やヘッドライトの眩しさが観る者の肉体をも痛く傷つける。 生き物としての肉体に響いてきます。 「emptyspring」(2020年)は観た記憶がある。 渋谷の夜の街でモノやゴミやがひとりでに動いていく。 傑作と言ってよい。
4階の「undercity」(2024年)は暗闇の地下を3人の若者がスケードボードで走り回る映像作品です。 地下こそ都市の裏側でしょう。 ヘッドライトでその裏側=肉体が垣間見える作品でした。
我々はコンクリートを見てガラスを感じ鉄を聴く。 その暗闇へ降りて行き都市の肉体を触ったような感覚が持てる、このような展示会だった。 都市への想像力が活性化しました。