■英一蝶 ー風流才子、浮き世を写すー

■サントリー美術館,2024.9.18-11.10
■英一蝶(はなぶさいっちょう)は17世紀末に江戸で活躍した都市風俗画家です。 師は狩野探幽の弟の安信、また芭蕉に俳諧を学んでいる。 しかし47歳(1698年)に三宅島へ流罪、理由の真意は不明と書かれていましたね。 「島一蝶」の意味がわかりました。 島で描いた作品を指すらしい。 1709年の恩赦で江戸再帰後は英一蝶と改めたようです。
作品番号1の「立美人図」を見て記念切手を思い出しました。 あっ、一蝶だったのか! 一度見たら忘れられない姿顔立ちです。 顔も姿も平凡ですが凛々しい。 気に入ったのは作品番号21「吉野・龍田図屏風」。 山や川、そこに松と桜、家々に人々、美人図をそのまま自然に適用したような作品です。 彼は対象物を小さく描く。 このため単眼鏡が必要です。 メトロポリタン美術館所蔵の3枚「地蔵菩薩像」「舞楽図・唐獅子図屏風」「雨宿り図屏風」はどれも素晴らしい。 何冊もの俳句集が展示されていたが当時の字は読み難い。
一蝶に統一感が無いのは狩野派だが風俗画家、絵師であり俳諧師、11年の流罪による不連続しかし、この寄せ集めこそ一蝶でしょう。 遊郭通いを好み、太夫衆でもあり、将軍に盾を突く。 まさに江戸の遊歩者ですね。
*英一蝶没後300年記念