■魂のまなざし、ヘレン・シャルフベック

■監督:アンティ・ヨキネン,出演:ラウラ・ビルン,ヨハンネス・ホロパイネン,クリスタ・コソネン他
■配信(フィンランド&エストニア,2020年作)
■ヘレン・シャルフベックを描いたドキュメンタリー風ドラマです。 でも彼女の絵画は未だ観ていない。 フィンランド20世紀前半の日常世界を楽しめる内容でした。 電気も水道もない生活だが、豊かな自然やパリと比較して小柄なヘルシンキが描かれる。 木枠のガラス窓から入る太陽光と夜の蝋燭の光、どちらも暖かさがあります。
女性達の日常着が質素だが素晴らしい。 雑誌ヴォーグを見る場面が何度かある。 当時は雑誌をみて自作するのが普通だったのでしょう。 また男性が三つ揃えの背広で登場することが多い。 この映画はフィンランドで大ヒットしたようです。 このため服装は恥ずかしくないようにしたのかもしれない。 それとも監督の衣装好みかも?
当時の人間関係のありようも分かる。 母と娘ヘレン、兄の力、そしてエイナル・ロイターとの出会い。 そうそう、ヴェスターの立ち位置がよく分からなかった。 単なる女友達ではないはず。 この作品はヘレンのエイナルへの恋愛感情の流れが中心になる。 そしてお互いの成長を肯定して幕が閉じる。
ヘレンの作品が何枚か映し出されたが真実を捉えています。 次回の展示会は見逃さないようにします。
*原題:HELENE
*ヘレン・シャルフベック(1862-1946)生誕160年記念作品