■マルジェラが語る「マルタン・マルジェラ」

■監督:ライナー・ホルツェマー,出演:マルタン・マルジェラ(声),ジャン=ポール・ゴルチエ,カリーヌ・ロワトフェルド他
■DMM・配信(ベルギー&ドイツ,2019年)
■マルジェラ本人が自身の声?でたっぷりと語ってくれる。 でも一度も姿は現さない、手は見えるけどね。 「人前に出たがらないのは戦略ではなくて本心・・」、「仕事を語るのがきらい」と言っている。 彼の作品が嫌いな人も多かった。 批判に耐えかねて性格がそうさせたかも。  
過去資料を持ち出して子供のころから引退までを彼は淡々と話すの。  履歴物語ね。 淡い色と白を基調にしていているがカウンターカルチャーは抜群よ。 シュルレアリスムを取り込んでいることもその理由かしら? 地下足袋を参考にした靴、モデルの顔を布や長髪で隠すのもマルジェラ同郷のルネ・マグリットやポール・デルヴォーに繋がる。 「自由にみて感じてもらいたい」と言っている。 現代美術をみている感覚でファッションを語れるのがマルジェラだと思う。 前回の「マルジェラと私たち」と今回の作品でまた一歩マルジェラに近づけたわね。