■篠田桃紅展 ■1960-80年代抽象 ■諏訪未知

■東京オペラシティアートギャラリー,2022.4.16-6.22
□篠田桃紅展
■篠田桃紅の書→絵はゆらゆらゆらぐ柳の木を描いているかのようです。 しかし棘らしき線にも見える。 柔らかさのなかに厳しさがある。 どっしりとした四角い太い面に先鋭な線はもはや華道ですね。 和紙に花器を描き花を生けている。 空白が気にならないのは書が原点にあるからでしょう。 それにしても円や曲線が無い。 息が抜けない。 「抽象は無秩序か空疎な形状に陥りやすい」から気を緩めなかったのでしょうか?
書から入った彼女は「文字の制約から自由になりたい」一心でニューヨークに渡り抽象絵画に近づいていったようです。 会場内で上映していた「日本の書」(ピエール・アレシンスキー監督、1957年制作)のドキュメンタリーは面白い。 江口草玄が筆を買う場面で以前に観ていたことを思い出しました。 後半に篠田桃紅が滑らかな肢体で柳のような線を描く姿は芸術と言えます。 あらためて日本は書↔絵に囲まれていると認識させられました。
□1960-80年代の抽象
■画家30名強の抽象画が並んでいる。 これだけの作者に出会えるとは、2階のコレクション展はいつも裏切らない。
□諏訪未知
■ほんわりな色と形そしてリズムは時間と空間を移動して美術館まで来た観客を歓迎しているかのようです。