■奇想のモード、装うことへの狂気またはシュルレアリスム

■東京都庭園美術館,2022.1.15-4.10
■1章「有機物への偏愛」の黒髪の「ジャケット」(ジョージ・ニーズ)に先ずはビックリ! 思えば黒髪の上着は有るようで無いから。 でも猿の毛なの。 比して3章「髪へと向かう、狂気の愛」の作品群は人毛だが小さすぎて驚きがない。
2章「歴史にみる奇想のモード」では纏足靴に目がいく。 10cmの丈が思った以上に小さくみえるからよ。 靴を知ったのはパール・バックの「大地」だった。 隣のコルセットとともに奇想の慣習ね。 5章「鳥と帽子」と違って肉体改造の凄さが伝わってくる。
4章「エルザ・スキャパレッリ」では「ブローチ・イヤリング・ブレスレット」(1950年代)が気にいる。 ガラスと人工真珠等の組み合わせに彼女の目の鋭さが現れている。 真似したくてもできない微妙な割形だとおもう。
主題となる6章「シュルレアリストとモード」では「分断された身体へ」「裁縫とシュルレアリスム」「物言わぬマネキンたち」の分解→結合→再構成で進む身体改造が面白い。 途中にあった「ヘクトールとアンドロマケー」(ジョルジュ・デ・キリコ)の青い空が素敵ね。 同じ部屋の「室内または静物+部屋」(マン・レイ)もなかなかだわ。
8章「和の奇想」では花魁の奇想の深さを再認識できる。 帯留は自然を取り込んだ強みがでている。
別館に行き・・、9章「ハイブリッドとモード」では舘鼻則孝の代表作群、永澤陽一のパンツ3点、串野真也の沢山の靴をみることができ現代に繋がる奇想モードの状況が分かる。
モードとシュルレアリスムは愛相が良い。 楽しかったわよ。