■電線絵画展ー小林清親から山口晃までー

■練馬区立美術館,2021.2.28-4.18
■1章「晴れやか、誇り高き電信柱」、2章「晴れやか、誇り高き電柱」・・。 なぜ同じようなタイトルが続くのか? それは電信柱・電信線と電力柱・配電線の違いです。 1章は電話で1860年代、2章は電気で1880年代から敷設が始まった。 でも電柱は電柱ですね。 しかも郵便制度もこの時期に開始された。 ネットワーク時代の誕生を見る展示会とも言える。
絵の中に電柱や電線を描くか描かないか? 画家も分かれるようです。 多くの作品は邪魔に見えない。 その時代や都市生活を強調している絵は風景の一部になっているからでしょう。 でも強く意識すれば異様にもみえる。 ここが面白い。
気に入ったのは河鍋暁斎・山岡鉄舟合筆の「電信柱」、川瀬巴水の「東京十二景色」と木村壮八「東京の民家」の幾枚か、チラシに載った小林清親の「富嶽眺望」などなど。 「富士には電信柱もよく似合ふ」。 写真でしたが小出楢重「枯れ木のある風景」は好きな一枚です。 10章には碍子の本物も展示されていたが、玉村方久斗「碍子と驟雨」もいいですね。 
これに高架線が入ると完璧になる。 昭和の風景といえば高架線でしょう。 でも当時は蒸気機関車の為まだ見ることができない。 電柱電線が日本の風景から消えるのはもう少し先の事ですかね?