■南薫造、まさにニッポンの印象派

■東京ステーションギャラリー,2021.2.20-4.11
■初めて聞く画家名、1883年広島生まれの南薫造の回顧展です。 先ずは1章「美校時代」そして2章「留学時代」と続く。 1907年に彼は英国へ留学したが水彩画が引き金だったのには驚きですね。 1900年頃の日本は水彩画黄金時代だったことも初めて知った。
3章「帰国後の活躍」に入り受賞歴を重ね終わった頃の1910年代後半から見応えのある作品が並び始める。 水彩と油彩の二刀流です。 南アジア旅行の水彩画が活き活きしている。 旅日記に楽しさが溢れていますね。 後に東アジア旅行が加わるが南と同じ調子です。 そして農村風景の油彩画には親密さが表われています。 副題に「印象派」とあるがそのようには見えない。
でも人物画はイマイチですか。 風景画にみえる人々も人形のようです、・・逆に風景にマッチしているが。 それと静物画もです。 作品数も少ない。
3章の終わり30年40年代は左壁に水彩、右壁に油彩が並ぶ構成です。 左壁の「朝鮮風景」は何とも言えないカラフルな色彩で惚れ惚れします。 右壁にはキャベツ畑が広がる・・。 絵を観る喜びが広がりますね。 久しぶりに至福の時がやってきました。 終章「晩年 郷里での活動」で会場は出口になる。 こんなにも絵画的リズムが合う画家に出会えて嬉しい。
*南薫造没後70年展