■ルーベンス展ーバロックの誕生ー

■国立西洋美術館,2018.10.16-2019.1.20
■「イタリアとのかかわりに焦点を当てる」と書いてあったけど、具体的にはギリシャ・ローマ時代の彫刻を指すみたい。 「古代彫刻は石のように描いてはいけない」。 これがルーベンスが描く豊穣な肉体の原点だったのね。 また一つ彼の謎が解けた。 しかもイタリア時代の作品は空気が澄んでいて清々しい感じがする。 空気が人物の輪郭を浮き出させている。 うーん、最高!
でも工房を設立してからは出来不出来の差が激しい。 例えば聖人の死を描く場合に顔は灰色だけど体はまだ血の気がある。 たぶん顔だけをルーベンスが描き体は工房画家なの。 死の事実かもしれないけど絵としては調和が崩れている感じにみえる。
工房以外の画家と共同制作していたのも驚きね。 これがルーベンスの恐るべきところかもしれない。 現代社会なら彼は芸術監督、ブロデューサー、コンサルタントのようだわ。 後半はこれに外交官も熟しているのがすごい。 有能な画家であり外交官は彼しかしらない。 レオナルドもミケランジェロもアルチンボルドも外交官としては劣るからよ。
2月に開催した「プラド美術館展」でベラスケスとルーベンスの関係が語られたけど今年の西洋美術館はバロックの年と言ってもいいわね。
*館サイト、http://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2018rubens.html
*「このブログを検索」語句は、 ルーベンス