■京都・醍醐寺ー真言密教の宇宙ー

■サントリー美術館,2018.9.19-11.11
■老翁が飲んだ水を「醍醐味」と表現したのが寺名の由来だと初めて知った。 今回は展示約80点全てが醍醐寺所蔵しかも多くが国宝・重文というのが素晴らしい。 会場に入ると先ずは「如意輪観世音坐像」が出迎えてくれるのも嬉しい。 思っていたより小さな像だ。 次の「聖宝坐像」も寺の開祖ということで順当。 そして空海の開題や曼荼羅が続き副題通りの宇宙を形成していく。 快慶の「不動妙坐像」を見た後の「五大明王像」は少し漫画チックな感じがする。 スカッとしたロボットのような足が仏像に見えない。
日記、書状など古文書も多く展示されている。 これをみると寺院内外での派閥争いも多かったようだ。 時代の権力者から支援を得られ続けた理由はよく分からない。 権力者が好む未来を読む企画・提案力が高かったのだろう。
松涛美術館「醍醐寺展」(2014年)は「過去現在絵因果経」を中心にして展開したが、今回はエピローグを「醍醐の花見」にしてより華麗な寺に仕上がっていた。
*館サイト、https://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2018_4/index.html