■フェルメール展

■上野の森美術館,2018.10.5-2019.2.3
■入口で配られた豆本のような解説書はいいですね。 1頁1作品で字が大きく、暗く混んでいる会場でもダイレクトで読むことができる。 音声ガイドも無料で配布していたが、豆本が良くできていたので使いませんでした。
場内はフェルメールの部屋まで関連作品が続きます。 「肖像画」「神話・宗教画」「風景画」「生物画」「風俗画」そしてやっと「フェルメール」が登場! しかし最後にドカッとまとめて観るのも疲れます。 感動が薄れる。 しかもフェルメール9作品と定型的な章の組み立て方が交じり合っていかない。 もったいない展示順序だと思います。
「マルタとマリアの家のキリスト」は初めて観た気がします。 でもフェルメールらしさが未だ発酵していない。 やはり一番は「牛乳を注ぐ女」ですか。 牛乳、パン・・全てが光で微振動していますね。 灰色っぽい作品の前ではハンマースホイを急に思い出してしまった。
フェルメール以外では「捕鯨をするオランダ船」(A・ストルク)が楽しい。 鯨だけではなく北極熊に槍を向けたり、泳いでいる海象も描かれています。 細かいためジックリ隅々まで見てしまった。 「港町近くの武装商船と船舶」(C・V・ウィーリンヘン)の海の色はブリューゲルの「バベルノ塔」の海と同じです。 「野兎と狩りの獲物」(J・ウェーニクス)の兎の毛並みはホカホカで気持ちよかった。 そして「海上のニシン船」(S・D・フリーヘル)の大気は素晴らしい。 他に数点気に入った作品がありました。
フェルメールの故郷デルフトであるハーグには行ったことがない。 ということでアムステルダム国立美術館を訪れた時のことや、アムスの街並み運河風景を思い出しながら会場を後にしました。
*館サイト、http://www.ueno-mori.org/exhibitions/article.cgi?id=857636