■マノロ・ブラニク -トカゲに靴を作った少年-

■脚本・監督:マイケル・ロバーツ,出演:マノロ・ブラニク,アナ・ウィンター,リアーナ,パロマ・ピカソ,シャーロット・オリンピア,ジョン・ガリアーノ
■(イギリス,2017年作品)
■「履き心地は悪いが美しい」「とても痛いが気分がいい」「履いたことはないが持っている」・・。 女性の靴の選び方は理解できない。
カナリア諸島でのマノロ・ブラニクの幼少期は素晴らしかったはずだ。 作品中の楽し気な生物や植物をみてもそれが分かる。 そして彼はパリ、ロンドン、ニューヨークと渡り歩いていく。 どこかジェームス・ディーンに似ている。 セクシーな青年だったらしい。 ダイアナ妃が彼の靴を履いてから爆発的に売れ出したと言っている。 アフリカへの接近も一歩誤れば下品にみられるが、そうならないのが彼の凄いところだ。 プラド美術館でゴヤの靴を論じている場面も面白かった。
この映画に登場する有名人はマノロの靴を無条件で称賛する。 アナ・ウィンター、パロマ・ピカソ、イマン、ジョン・ガリアーノ、ソフィア・コッポラはともかく初めて聞く名前が多い。 やはり靴の世界は遠い。
マノロはランペドゥーサの「山猫」の話をしたがる。 「・・マノロが面白いと思っていた時代は過ぎ去ろうとしている」と誰かが言っていた。 「庭仕事が一番」の彼も主人公ドン・ファブリツィオと人生を重ね合わせる時期に来ているのかもしれない。 ただしルキーノ・ヴィスコンティの「山猫」しか私は知らないが。
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