■ルーヴル美術館展、肖像芸術-人は人をどう表現してきたか

■国立新美術館,2018.5.30-9.3
■プロローグのエジプト2作品の対比は面白い。 「棺に由来するマスク」は未来の顔を、「女性の肖像」は過去の顔を求めているの。 2作品の時代差千年が女性を現実的にさせたらしい。 過去の自分の顔は今より美しいからよ。
「神に捧げ」「墓碑に刻み」記憶してもらう顔、「権力や権威」を見せびらかす顔、「表現や流行」を取り込む顔と展示は続く。 みる相手が誰か?肖像史では大事なのね。 肖像画と人物画の違いを意識させないのは肖像の定義が時代と共に変化したのかも。
会場ではオッと声をあげたくなる作品が時々現れる。 アングルや女流画家ルブランの2点、ゴヤなどなど。 「美しきナーニ」はちょっとキツイ感じね。 気に入ったのは「ヘラクレス(エロス)として表された子どもの小像」(ローマ彫刻)2点と「画家の妻と子どもの肖像」(ヴェスティエ)。 後者の子供と犬はビンビンに心が伝わり合っているのがわかる。
エピローグの2枚は昨年の「アルチンボルド展」(西洋美術館)には出展されていなかったはず。 今回の為に取っておいたのかしら? それはともかくルーヴルのパワーが会場の至る所で顔を出している展示会だった。
*展示会サイト、http://www.ntv.co.jp/louvre2018/