■フランス宮廷の磁器セーヴル、創造の300年

■サントリー美術館,2017.11.22-2018.1.28
■セーヴルの名前は聞いてはいたが中身は知らない。 1740年ルイ15世のもとで磁器製作所として誕生したようだ。 「東洋へのあこがれ」から芸術そして日常へと浸透していく流れは西欧どこも同じである。
18世紀は国王の画家たとえばロココのプーシェや生活色のある英国庭園の絵柄などを採用した親しみやすい作品が多い。 しかし19世紀になると趣味の世界から脱して本格的に変化したのを感じる。 これは製作所所長ブロンニャールの力らしい。 有名画家も採用し続けているので質が保たれている。 20世紀も芸術部長サンディエなどが頑張っているようだが世界動向に巻き込まれてしまった。 ダンサーのロイ・フラーの利用やアール・デコの採用はその現れだろう。 しかし沼田一雅など外部からの受け入れが衰えていないところは大したものだ。
現代になると製作所の考えは全く見えなくなってしまう。 世界作家とのコラボだけが前面に出ている。 国王から所長そして芸術部長で遣り繰りしてきたが今や作家だけがが残ってしまった。 硬くて重いモノとしての陶磁器は時代変化に弱いから母屋の維持は大変なのだろう。 セーヴルを例にした陶磁器盛衰史の展示会にもみえた。
*六本木開館10周年記念展
*館サイト、https://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2017_6/index.html