■朝井閑右衛門展、空想の饗宴

■練馬区立美術館,2016.9.18-11.13
■1901年生まれの朝井は20世紀人間である。 1983年に亡くなっている。 1930年前後の風景画や「東京十二景」(1935年)の頃は描く素直さが出ている。 「丘の上」前後から他者を意識し始める。 「ロリルの踊り」を含め道化をみれば分かる。 次に「画家像」を印象派、「ギタリスト」にピカソを取り込むしかない。 戦中の「蘇州風景」(1941年)は再び素直さが戻る。 このとき野人画家を進もうと決めたのだろう。 戦後、「電線風景」から厚塗りになっていく。 「電線風景」は謎である。 精神的揺らぎがあったのか? 1950年代、周囲にいる文学者の影響が強くなり又子供時代の記憶も甦ってきたようだ。 日本回帰に繋がる。 終章のアトリエは人生の形を整えようとしている風景である。 初期や戦中の素直な作品が気に入った。
*館サイト、https://www.neribun.or.jp/event/detail_m.cgi?id=m10327