■美術館を手玉にとった男

■監督:S・カルマン,J・グラウスマン,出演:M・ランディス
■贋作画家マーク・ランディスは記憶と空間認識が普通と違うと考えられます。 これが統合失調気質に共鳴して出来の良い作品ができた。 彼の生活は両親特に母の影響に雁字搦めにされていますね。 映画を含め芸術に向かったのは母つまり女性との接触関係が崩れてしまった代替行為でしょう。
ランディスを許さない人々が登場します。 美術館に贋作を寄贈する時に嘘を付く為です。 ランディスも内心では認めている。 それを慈善活動という言葉で逃げようとしている。 偽の神父になり活動するのはその償いでしょう。 贋作画家より贋作神父のほうが驚きです。 芸術から宗教ですから境界線を歩き続けていますね。
贋作は美術でメシを食っている人には問題です。 飯の種は無価値になるし権威の失墜にもなります。 美術館にとっては最悪ですね。 しかし贋作もアートには違いありません。 本物も模倣ですから。 彼の個展風景で幕が閉じますが法の範囲で対応するしかありません。
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