■トーマス・ルフ展

■東京国立近代美術館,2016.8.30-11.13
■「ポートレート」「ハウス」の順に作品群が続いていくが会場にはドイツの硬さが漂っている。 ある種の規律性が感じられる。 しかも生物への気配は跡しかみえない。 魂の存在感が均一に広がってしまっている。 「ネガティヴ」以降も見応えある作品が続く。 「jpeg」は意識を持ったロボットがエンパイアーステートビルとトレードセンターの現象差異を把握しようとしている場面である。 「フォトグラム」は絵画を意識してしまった。 抽象への面白さを備えている。 それにしても雑音のない作品が多い。 音楽は奏しているのだが無響室にいるようだ。 「2001年宇宙の旅」の写真版と言ってもよい。
*展示会サイト、http://thomasruff.jp/