■ナムジュン・パイク展、2020年笑っているのは誰?

■ワタリウム美術館,2016.7.17-10.10
■「お金は湯水のように使いなさい!」。 パイクが家を出るときの母の言葉よ。 羨ましいわね。 展示は4階の1956年から78年、3階が1980年から83年、2階は1984年から88年の作品が並ぶの。 階ごとにビデオが5・6本と他展示物だけど長い作品は一部分をみるだけになりそう。
4階は作曲家ジョン・ケージやシャーロット・モーマンなどの演奏家との共演が多い。 音楽からはみ出てしまったのは付き合った芸術集団の影響かもしれない。 ビデオに向かった理由は分からないけど未来への直観が働いたのね。 そのビデオ作品が面白くなるのはサテライトアート時代の1階に来てからよ。 それまではアレン・ギンズバークとアラン・カプローのパフォーマンスやマース・カニングハムのダンスなど狭い芸術や政治から抜け出せなかった。
「グッドモーニング・ミスター・オーウェル」「バイ・バイ・キップリング」「ラップ・アラウンド・ザ・ワールド」の3作品は今見てもどれも楽しい。 三宅一生、山海塾、デヴィッド・ボウイ、坂本龍一、ヨーゼフ・ボイス、曙、浅田彰・・、あらゆるジャンルの人が登場するの。 一番は作品が生き生きとしていることね。 人間味がある。 この作品群でネットワークを使い社会や政治や芸術と結び付けて映像の方向性を出せた。 彼のインタビュからもコンセプトは長い時間軸で考えられていたことが分かる。 でも副題の2020年に誰が笑っているのかは調べなかったけど。