■佐藤時啓-光・呼吸、そこにいる・そこにいない-  ■スピリチュアル・ワールド  ■JPS日本写真家協会展

■東京都写真美術館、2014.5.13-7.13
■「発光するペンライトや反射鏡の軌跡をフィルムに定着する・・」作品が最初に並べてあります。 ペンライト軌跡は真面目すぎますかね。 反射鏡は源氏と平家を合わせた大きな蛍のようです。 面白いのですがもう一つ感動が高まりません。
それよりもピンホールやカメラ・オブスクラを応用した作品のほうが引きこまれます。 街の風景がひび割れている「CLEANING LIGHTS」や「WANDERING CAMERA」の風景が落ち葉と重なっているような作品群です。 地味ですが気に入りました。
カメラをハンドメイドの道具として使っていて、技術と技能が上手く融合されています。 しかし 心をトキメカスような何かがが欠けています。 自然に対して受動的なこと、そして人が登場しないのが理由でしょう。
スピリチュアル・ワールド-2014年度コレクション展-、2014.5.13-7・13
http://syabi.com/upload/3/2240/spiritual_world.pdf
■この館にある3万点の中から日本の宗教や民間信仰など精神性に富んだ作品を選んだ展示です。 先の「佐藤時啓」の作品とは逆を行っています。 こちらは心を直撃します。
石川直樹「MT FUJI」、土門拳「古寺巡礼」、土田ヒロミ「俗神」、内藤正敏「婆バクハツ!」、奈良原一高「王国・沈黙の園」「ジャパネスク・禅」、藤原新也「全東洋写真・インド」。 過去に見た作品も多いのですが何度見ても呻ります。
JPS日本写真家協会展-公募展第39回-、2014.5.17-6.1
http://syabi.com/upload/3/2246/jps2014.pdf
■入賞作品が約300点。 文部科学大臣賞も東京都知事賞も金賞・銀賞・・も、どれをとっても差がありません。 入賞だけあってレベルは高いです。 差がでないところが現代写真の姿だとおもいます。
理由はカメラがコンピュータの一部に組み込まれてしまっているからです。 「佐藤時啓」の応用はなんとかそこから逃れたいように見えました。