■小林猶治郎展・超然孤独の風流遊戯  ■富田有紀子展

■練馬区立美術館,2013.2.17-4.7
□小林猶次郎展
関東ローム層の茶色や落葉広葉樹林の錆びた緑色が強い光の中で匂いを放っています。 この日本の色や匂いはほんの数十年前までは生活に溶け込んでいたはずです。 この色・匂いから湧き出る副題の「超然孤立の風流遊戯」は少し大げさです。
1930年頃から絵が変わったようです。 物がスッキリ見えるようになっています。 しかし匂いが薄くなりました。 結婚し子供が生まれて結核を忘れることができたからでしょう。 少し懐かしい日本の色や匂いに出会えて豊かな時を過ごせました。
富田有紀子展
猶治郎の孫娘のようです。 花や果実の連作が数十枚の正方形キャンバスに描かれています。 この展示方法は写真を意識しています。 ガチ写真ですね。 新作の花の蕾を観ていると、<写真>を乗り越えなければならない時期にきているようです。