■エル・グレコ展、一度見上げたら、忘れられない。

東京都美術館,2013.1.19-4.7
振付のような動きの手足や身体を瞬間に止め、しかし目はじっと見つめている、とても演劇的な絵が並んでいます。 しかも劇的です。 雲さえも。 「羊飼いの礼拝」(1610年)は牛や馬までがそこに居る人々と同じ思いを持っているのがわかります。
黒雲に覆われた「十字架のキリスト」(1610年)は喜びに満ち溢れています。 「聖アンナのいる聖家族」(1595年)は劇的だけど静かさが、世界の秩序と深淵を現前させています。 至福の一時でした。