■船田玉樹展―異端にして正統、孤高の画人生-

■練馬区立美術館,2012.7.15-9.9
■玉樹と共に彼の師や影響のあった人の絵が展示されています。 彼は日本画から前衛まで守備範囲が広く焦点が定まりません。 このため御舟や古径、靫彦と丸木位里や岩橋英遠の違いなど、玉樹との比較内容が人ごとに違うので混乱しました。
結果、他者からの影響力がどの程度なのか計り兼ねます。 つまり玉樹は何を考えているかわからないのです。 70年後半の河童連作は彼の心情が表れています。 自身を河童に見立てているところをみると、充実して描いているとは到底みえません。
チラシ表紙を飾っている「花の夕」は灰色の桜の幹がとてもリアルに感じました。 56年の作品「臥龍梅」や79年の「老梅」も幹が異様です。 45年頃の「ひばり」や「麦」は素朴で気に入りました。 ともかく最後まで混乱している画家にみえました。
*館サイト、https://www.neribun.or.jp/event/detail_m.cgi?id=m10228