■ポール・デルヴォー夢をめぐる旅

府中市美術館、2012.9.12-11.11
デルヴォーその人に焦点をあてた展示会のようね。 入口で彼の略年譜を配っていたし、彼の生活の事を多く解説していたからよ。 彼がシュルレアリスムに近づいたのは自由になれると思ったから。 シュールの思想なんて関係ない。
両親に雁字搦めにされていたからよ。 美術の勉強もタムとの結婚も反対されるし<自由>がなかった。 目の大きい裸婦や汽車もギリシャ神話も、彼の若い時の心の傷や思い出が一杯詰まっているの。 夢と言うより現実に彼の過去が溶け入ったのよ。
ところで高校の授業のオデュッセイアに彼は感動したとあったけど、ベルギーの高校の歴史や国語は他国であるギリシャをどのように扱っているのかしら? デルヴォーの絵にギリシアをみる時、ヨーロッパというものが身体的に理解できないところだわ。
作品は小粒が多かったけど、初期作品もありデルヴォーの全体像が浮かび上がる面白い展示会だった。