■与えられた形象-辰野登恵子/柴田敏雄 -

■国立新美術館,2012.8.28-10.22
■辰野登恵子と柴田敏雄の二人展です。 前者は知りません。 後者は3年前写美館で企画展があったので覚えていました。 主催者はこの二人の共通点を強調したいようでが、絵画と写真では作品を前にして湧き出る意識の流れが違うので水と油です。
柴田敏雄ですが白黒作品をB0版近くの大きさまで引き伸ばして展示されています。 カラーならともかくコンナモノをみても面白くありません。 テーマを強調したいのでしょう。 後半は写真集と同じくらいのサイズになり観る喜びのリズムが戻りました。
最後に彼の新作がありましたがいいですね。 色が薄くなって軽やかです。 会場出口でダムの25枚写真を1枚のポスターにした「DMS」を予約販売していましたが最高です。 柴田の写真は白黒に関しては集中できるサイズでないとボヤケてしまいます。
ところで辰野ですが、1984年のマティスの壁柄に似た作品はみずみずしくて詩的です。 その後も悪くはありませんが・・、しかし新作は救いようがありません。 形象は与えられたものなのか? 描く動機も不明です。
*館サイト、http://www.nact.jp/exhibition_special/2012/given_forms/index.html