■藤田嗣治と愛書都市パリ

■松濤美術館,2012.7.31-9.9
■昨日観た「ちひろ」の色とイメージに対して藤田の線のまた違う素晴らしさを再認識してしまった。 具体的に対象を描けるので世界がリアルに現前できる。 文章の文字や意味をぶれないで受け止めることができる。 また違った本の記憶が子供時代に残るはずである。
藤田の場合は詩や小説が多く子供の絵本は少ない。 文学者との協調態度や本に対する考え方も違うので比較はできないが、ちひろ展でのモヤモヤが解消された。
挿絵本には当時のフランス画家も総動員だが藤田のこの分野の活動は素晴らしい。 でもパリ滞在中での日本紹介の絵は少しおかしい。 いつものことだが海外にいると日本文化をしっかり観察していなかったことを思いやられる。
*館サイト、http://www.shoto-museum.jp/exhibitions/153fujitatsuguharu/