■後藤純男展

■そごう美術館,2012.1.2-1.25
■雪は水分を含んでいてとても重たい。 桜や紅葉も、明るい色はみな重たさがある。 気持ちも重たくなる感じだ。
脂が乗ってくる直前1970年代の黒緑に金色の「万鐘宝生」や「残照」は締まりのあるいい絵である。 これが一皮剥けて金色がより映える「旭光禁止城」や「鹿苑寺庭園」の鮮やかな緑に変化する頃までは作者の脳味噌も冴えわたっている感じだ。
遡るが60年代の北海道の岩山や滝、木々はしっかりと組み立てた抽象画をみているようである。 雪を描いたデレッとした締まりのない後半の絵からみると想像できない。
晩年の夕日が充満している中国農村の建物は楽しく描いているのがわかる。 起伏のある画家にみえるが画業60年だと揺れはあたりまえかもしれない。
後藤純男美術館開館15周年記念
*館サイト、https://www.sogo-seibu.jp/common/museum/archives/12/0102_goto/index.html