■ジャン=ミシェル・オトニエル:マイウェイ

■原美術館,2012.1.7-3.11
■オトニエルのガラス玉って、日常風景に黒光りする「黒は美しい」さえも、違和感なく親しみを持って溶けこむのね。 勾玉や濃いオレンジや緑色の作品は少しドギツイけど温かみのある硬さを持っている。 まるで赤道直下の植物ね。 でも硫黄や樹脂・鉛を素材とした作品はガラスとは違う。 「ルアー」の黄色い手も手に持つ物も苦悩がみえる異様さだわ。
90年前半の硫黄や蜜蝋のオドロオドロしい作品から、90年後半からのガラスの澄み切った世界への作者の変身は興味を持ってしまう。 それは硫黄もガラスも素材に込められた作者の人生への思いが伝わってくるようだから。 パリ・ポンピドーの回顧展が盛況だったのも肯けるわね。 
*館サイト、http://www.art-it.asia/u/HaraMuseum/D8nwcuiqgZWMBTAmsvEx/