■池田龍雄、アヴァンギャルドの軌跡

■川崎市岡本太郎美術館,2010.10.9-11.1.10
■「内灘シリーズ」や「反原爆シリーズ」の社会や政治を題材とした作品は生き生きとしてるわ。 ルポルタージュ絵画もね。
でも50年代からの抽象油彩は固さや冷たさがあり取っ付き難いし、最新の「場の位相シリーズ」も場が何か見えない感じよ。 「BRAHMANシリーズ」も面喰うわ。
社会・政治と宇宙・場の二つの世界が交互に作品に登場するけど連携していないから見る者は戸惑うことになるの。 また有名芸術家の名前が溢れるほど登場するけどグループの結成・解散も多い。 これで繋がりがよく見えない。
20世紀後半の資本主義の勝利で活動と成果がバラバラになり今となってはその場限りのパフォーマンスにしか見えなくなってしまったということかしら。
以上池田絵画の二面性と他芸術家の関係の二点がぼやけていたけど、戦後テーマは十分な質と量で構成されていて重たい展示会になっていた。
*館サイト、http://www.taromuseum.jp/archive2010.html