■櫃田伸也、通り過ぎた風景

■損保ジャパン東郷青児美術館,2011.1.8-2.13
■灰、黄土、焦茶、青と歳が加わるごとに主色が変化していきます。 ボヤっとした土や草木に金網のような直線が四方に張り巡らされていて緊張感を誘います。 これが観る者を理知的にさせます。
ところどころに小さな・・、白い花、燐寸の燃滓、煙草の吸殻がハッキリと描かれているのを発見して作品の再解釈をします。 このように作品を往ったり来たりした満足感が後味として残る絵です。 薄い塗りも影響してそれは抑制のある感動を伴います。
絵画からの直接な感動はありません。 黄土系が多い中、洪水シリーズの青色系の映えが素晴らしかったです。 作品名の多くが「通り過ぎた風景」と「不確かな風景」です。 たぶん名前付けが面倒くさくなってしまったのでしょう。
*館サイト、http://www.sjnk-museum.org/program/past/329.html