■高瀬省三・石橋聖肖展

■平塚市美術館,2010.11.9-12.23
■高瀬省三展は病魔に侵され亡くなる年の作品のみで構成されています。 それは作者自身の記憶や意味や人生を移行した分身のようです。 荒さが目立つのは体力の衰えからでしょう。
素材は流木などの自然の形です。 この形と鬩ぎ合いながら最後には自然と調和した姿にしています。  ランニングシャツ姿の「少年の夏」や「遠い思い出」の蝉をみると子供時代こそが人生の宝だったと言っているようです。 観る者の思い出も甦る内容でした。
石橋聖肖展はヨットや桟橋・灯台など海をテーマにした銅が主の彫金です。 そこに広がる海や空はとても静かです。 感情が昂っていても時間のかかる金属が相手ですから完成する時には心静かな作品になってしまうのでしょうか。
両者の作品はいっしょに陳列してありましたが違和感がなく、どちらも心に深く静かに響いた展示会でした。
*館サイトhttp://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/art-muse/exhibit2.htm