■ヴァロットン、黒と白

■三菱一号館美術館,2022.10.29-2023.1.29 
■版画展と言ってよい、油絵も数枚あったが。 <黒と白>の線と面をみているとグラフィクアートの先駆者にみえてくる。 有名人肖像画やアルプスの力強い線は見応えがある。 山々や雲の形が面白い。
4章「アンティミテ」の1890年代後半に入ると親密がより増しているが、それは彼の版画技工に磨きがかかった為だと思う。 髪型を含め人物周辺の装飾性も向上している。
しかし顔の細かい表情などは版画では描けない。 少しでも逸れれば漫画になってしまうだろう。 そのギリギリで止めている。
ヴァロットンはナビ派や親密派と呼ばれている。 絵画では納得するが、しかし版画では無理やり派閥に入れているように聞こえる。 彼の版画はそこからはみ出すほど多彩だ。 グラフィカルはもとより漫画アートにも通じている。
*「ブログ検索🔍」に入れる語句は、ヴァロットン ・・検索結果は5展.
*2022.10 投稿者名を「茶熊赤狸」から「かなへび」に変更しました.