■マン・レイと女性たち

■Bunkamura.ミュージアム,2021.7.13-9.6
■女性たちの口述はないが、マン・レイのオーラルヒストリーを紐解くような展示会です。
彼の結婚のあらましは・・、ニューヨークで詩人アドン・ラクロラ、パリに行き歌手でモデルのキキ・ド・モンパルナス、モデルのリー・ミラー、ダンサーのアディ・フィドラン、そしてロサンゼルスに戻りジュリエット・ブラウナーと旺盛です。 この5人の女性と多くのモデルが彼の創作空間を形成していたのが分かります。
そしてマン・レイにとっての狂乱の20年代はニューヨークよりもパリだった。 「ダダはニューヨークでは生きて行けない」と彼は言う。 パリのシュルレアリスム運動とマン・レイは相思相愛の仲でしょう。
戦禍が激しくなると彼は写真から絵画に移る。 でも絵は売れない。 戦後は彼の過去作品を再制作・複製・量産していく。 「マン・レイとは誰だったのか?」。 「イジドール・デュカスの謎」を手押し車に乗せ「フェルー通り」をトボトボと歩いていくマン・レイ・・。 彼の位置づけを誇張せずに表した姿かもしれない。
マン・レイという人物を多くの女性から間接的に知ることができた。 そして20年代のパリを巧く切り取った内容でした。 彼が辿った住居や活動したパリの地図を見て、またパリへ行きたくなってしまいました。