■森山大道の東京、ongoing  ■写真とファッション、90年代以降の関係性を探る

■東京都写真美術館,2020.6.2-9.22
□森山大道の東京
■久しぶりの美術館です。 森山大道は美術館で観るのが一番でしょう。 迫力が違う。 過去シリーズを取捨し再構成しているらしい。 新作もあるのが嬉しいですね。
作品の中の東京は見慣れているが一瞬動けなくなります。 それは「アレ・ブレ・ボケ」と言われている手法がその場所と人を異化して新しいリアルを出現させるからです。 特に白黒作品はそう思います。
カラー作品もいいですね。 色彩のドギツさがギリギリのところで止めてある。 白黒とは違った物語が見えてきます。
20世紀を強引に未来へ持っていこうとする力が働いている。 都市も肉体も20世紀が、大道の作品には、染みついているからでしょう。
□写真とファッション
■監修:林央子,作家:アンダース.エドストローム,高橋恭司,エレン.フライス,前田征紀,パグメント,ホンマタカシ
■副題の通り、90年代以降のファッションとその周辺を回想するため、
「here and there」やエレン・フライスの「Purple」など当時の雑誌を広げながら、「花椿」は登場しませんが、ファッションブランド「PUGMENT」で現代に繋げていく流れです。
高橋恭司、前田征紀、ホンマタカシなど作家との関係も初めて知る。 戸惑いました。 この時代のファッションは(私事多忙で)記憶からスッポリ抜けているからです。 マルタン・マルジェラくらいです。 前田征紀や安田都乃の作品も全体との繋がりが見えない。 結局は混乱したまま館を後にしました。 20世紀末を20歳前後で通過した人には分かるはずです。