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■オークション、盗まれたエゴン・シーレ

■監督:パスカル・ボニゼール,出演:アレックス・リュッツ,レア・ドリュッケール,ノラ・アムザウィ他 ■配信(フランス,2023年作) ■フランス地方都市の労働者宅からナチスに略奪され行方不明となっていたエゴン・シーレ作「ひまわり」が見つかり美術界に衝撃が走る。 本作は競売人(オークショニア)アンドレ・マッソンを主人公にしたオークション業界を描こうとする話である。 しかし、美術系からやや距離がある。 絵画を所持していた労働者や主人公、その助手、彼らの家族関係に多くの時間が割かれているためだ。 略奪された絵画の処理、競売人たちの駆け引きは明確には描かれない。 裏取引の存在を助手から知らされる主人公の経験不足も頼りなく映る。 この映画はフランスの階級社会を描いているように感じられる。 生まれ故郷がどこか?という問が繰り返される点や、家族関係の描写が多いのもその傾向を裏付けている。 終幕に絵を見つけた労働者に拍手が送られる場面があるが、美術界が抱える階層意識への後ろめたさを払拭する意図があるのかもしれない。 フランス人なら作品の背後にある地理や歴史を意識しながら鑑賞するだろう。 しかしフランスから遠く離れた立場の者にとっては、すべてがオブラートに包まれており、深層に辿り着くことは難しい。 表面的な描写を眺めるしかない。 *映画com、 https://eiga.com/movie/102804/

■ブルーフロント芝浦 ■ソニーパーク

*下記の□2建築を観る. □ブルーフロント芝浦 ■設計:槇総合計画事務所他,建設:清水建設,デベロッパ:野村不動産,東日本旅客鉄道 ■竣工,2025.2.28 ■浜松町駅から屋根付きの歩道を行くと10分で「ブルーフロント芝浦・S棟」に着く。 デザインは凸型か? 43階建で賢そうな風体だ。 表面はガラス張で無駄が無い。 槇文彦風かな? 早速ビルに入り低層階やレストラン街を歩き回る。 食事以外の店は少ない。 レストランも並級が多く社員用にみえる。 上階はオフィスとホテルだ。 ビジネスに特化した建物と言ってよい。 隣に建つ(予定の)N棟は2030年の竣工らしい。 ここには旧東芝本社ビルが未だ建っている。 5年もかかるわけだ。 N棟ができないと全体像がみえない。 今のS棟だけではつまらない。 2030年まで待つことにしよう。 周辺を歩く。 芝浦運河を渡り海岸通りを横切ると日の出桟橋に出る。 ビルから海まで10分はかかる。 湾港らしく寂れた感じが漂う。 運河を活用すれば面白いビルとして展開できそうだ。 ブルーフロントの名前が生きるだろう。 *ブルーフロント芝浦、 https://www.bluefrontshibaura.com/ □銀座・ソニーパーク ■設計:ソニープロジェクト,施工:竹中工務店,建築主:ソニー ■開館,2025.1.26 ■外観は足場が築かれている? まるで工事中のようだ。 コンクリート打ちっぱなしの建物だ。 「新しい公園」とある・・? でも休める場所は殆ど無い。 少しの机や椅子も座り心地が悪い。 上階でイベント「TM NETWORK 2025 IP」が開催されていた。 IPとは「体感型知的公園」のことらしい。 ソニーのミッションに「テクノロジーの力で未来のエンタテインメントをクリエイターと共創する」とある。 前身のソニービルはミッションの前半部分しかなかった。 いまは後半部分に移ってしまった。 ソニーは大きく変貌した。 これがソニーパークに現れている。 それにしても味気のない建物だ。 *ソニーパーク、 https://www.sonypark.com/