■マティス展

■主催:ポンピドゥー・センター,朝日新聞,NHK他
■東京都美術館,2023.4.27-8.20
■「20年ぶり・・」とあったが2004年西洋美術館での「マティス展」以来ということですね。 マティスの一生を網羅した内容にみえます。 1869年生まれと聞いて作品との差異に驚きます。 時代をいつも越えようと描いていた。 会場では彼の「自画像」(1900年)が出迎えてくれる。 元気のよい複雑な色彩が気に入りました。 探求時代の「金魚鉢のある室内」(14年)「アトリエの画家」(17年)もいいですね。 建物と室壁の黄ばんだ白がなんともいえない。 今回の展示では油絵が最高です。 後半には「赤の大きな室内」(48年)も展示されている。
彼は1941年に十二指腸癌に罹っている。 体力が減退し、これが切り絵に向かった理由と聞いています。 日本の工芸を身近でみていると「切り絵」は未完成にみえる。 「ヴァンス・ロザリオ礼拝堂」をまとめて観られたのは嬉しい。 でも、やはり未完成にみえる。 彼にとっては精一杯の出来栄えだったのでしょう。 「私が選んだのではなく、運命によって選ばれた仕事・・」と言っている。 切り絵と宗教に包まれてマティスは子供に戻っていったのでしょう。