■ゲルハルト・リヒター展

■東京国立近代美術館,2022.6.7-10.2
■ピンボケ骸骨などの「フォト・ペインティング」の何枚かは見た記憶があります。 映画監督だと長いあいだ勘違いしていた。 ドイツの画家は馴染みが薄い。 たぶん冷戦分断の影響が長かった為でしょう。 「カラー・チャート」「グレイ・ペインティング」そして「アブストラクト・ペインティング」をまとめてみたのは初めてです。
「ビルケナウ」は強制収容所の写真で背景がわかる。 作者の不安や苦しみは感じられるが、解説が無ければここまで深読みはできない。 抽象画の前に立ったときは意味不要の絵画的感動がやってくるか否かが問題です。 彼の作品を前にすると背景(=意味)があるのではないか?と考えてしまう。 絵をみる喜びが湧き起こらない。
気に入ったのは、やはり「フォト・ペインティング」です。 しかも写真と絵画の関係の不思議さを考えさせられる。 そして「ガラスと鏡」も。 周囲の歩く・止まる人や照明がガラス空間の中で無機化されたリズムとして感じとれる素直な作品です。
竹橋を歩くと梅雨明け特有の痛くなるような暑さが襲ってきました・・。 コンクリートの竹橋はアツイ!
*リヒター生誕90年画業60年展