■記憶は地に沁み風を越え ■松江泰治、マキエタCC ■fire/火

■東京都写真美術館,2021.11.6-2022.1.23
□記憶は地に沁み,風を越え 日本の新進作家vol.18
■作家:吉田志穂,潘逸舟,小森はるか+瀬尾夏美,池田宏,山元彩香
■記憶・地・風から内容を想像できるが作家6人6様ですね。 科学風、災害ドキュメンタリー、ポートレート、私小説風とバラエティ豊かです。 解説を読んでから作品をみるよりその逆が面白い。 まずは写真からいろいろ感じ取り後に解説を読む。 作者との乖離の大きさが面白い、作品内に言葉があれば別ですが。 次にその乖離を縮めていく。 作者との仮想対話のようなものです。 納得したところで次の作者へ会いにいく。
□松江泰治,マキエタCC
■「地平線や空を含めない。 被写体に影が生じないように順光で撮る・・」。 これだけでは分からないが作品を見たとたん唸ってしまった。 連なるビルは模型をみているのか!? しかしこれは実物だと自身を説得する自分がいる。 「奥行きが取り除かれあらゆるものが等しく存在する・・」。 平面の謎が浮き出てきます。 写真は奥深い。
□fire/火
■プリピクテ賞は初めて聞く。 スイスの投信投資会社ピクテグループが2008年に創設した写真賞です。 今年のテーマは「Fire(火)」で13人の作家が選ばれた。
川内倫子の「花火」は花火と観客の姿が絶妙です。 ファブリス・モンテイロ「ザ・プロフェシー(予言)」はアフリカの公害汚染・環境災害を背景におどろおどろしい衣装を着た預言者が登場する。 世紀末を感じさせます。 ブレント・スタートン「やけどの都」は毎年600万人も火傷するインドの現状を写している。 多くは灯油が原因だが治療設備が少ないため悲惨な状態が迫ってくる。 他にも見応えある作品が並ぶ中身の濃い展示会でした。