■レンブラントは誰の手に  ■レンブラントの夜警

□レンブラントは誰の手に
■監督:ウケ・ホーヘンダイク,出演:ヤン・シックス,エリック・ド・ロスチャイルド,ターコ・デヴィッツ他
■WEB,(オランダ,2019作品)
■「2018年、レンブラントが描いた肖像画を44年ぶりに発見!」。 それは本物なのか? 並行して富豪が所有する夫婦の対肖像画が売りに出される話が進む。 税金対策のようです。 どちらも画商や美術史家、美術館が入り混じり資金調達や競売での駆け引きに策略を練る。
そしてレンブラントファンにもカメラは入っていく。 旧貴族など個人所有者たちです。 レンブラントへの愛し方は様々ですね。
実を言うと、レンブラントは苦手な画家の一人です。 西欧の近寄りがたい靄が覆っているのを感じるからです。 登場する愛好家たちが羨ましいとも思えません。
□レンブラントの夜警
■監督:ピーター・グリーナウェイ,出演:マーティン・フリーマン,エバ・バーシッスル他
■DVD,(オランダ・イギリ他,2017作品)
■グリーナウェイらしい変わった映画ですね。 「夜警」に画かれた人物を物語に生き返らせてレンブラント自身が「夜警」を画いていくストーリーのようです。
モデルを描く場面もあるがそのキャンバスは写さない。 作品そのものを論じることはない。 人間関係を描いた映画と言えます。
彼の3人の妻、サスキア、ヘルーチェ、ヘンドリッキエはもちろん、親戚なども多く登場し混乱するほどです。 そこに性や犯罪をあからさまに語って盛り上げようとしている。 また貿易や新大陸が話題になることからオランダ黄金時代が背景に感じられる。 
しかしリアリズムからは程遠くどこまでが歴史的事実なのか怪しい。 夜警が描かれた当時の混乱は当にグリーナウエイ好みと言ってよいでしょう。