■後藤克芳、ニューヨークだより

■渋谷区立松濤美術館,2020.10.3-11.23
■絵画と言うより彫刻に近い。 スーパーリアリズムに属するが、これは日本工芸の延長でしょう。 丁寧に造られている。 工芸の精神が感じられます。 もちろん素材やテーマは違いますが、それは木材とアクリルのみで、濃くのある作品が多く、しかも味があります。 作品の前では一つ一つジックリ見てしまった。
作品名一文字の「A(アティーチョーク)」「E(茄子)」が気に入りました。 Aの立体感、Eの色艶・・、飽きないですね。 続いて「YOKO」の赤い唇の形、「UNTITLED」でキース・ヘリングの鍵の輝き、・・などなど切が無い。
ところで焼焦げたハートが数点あったが作家の失恋が長引いたのでしょうか? 後藤は1964年に渡米しています。 現地では荒川修作や篠原有司男たちと交流があったようです。 活気に満ちた時代をニューヨークで活躍したのは御見事!、羨ましい限りです。